【本要約】ドーパミン中毒 アンナ・レンブケ(著)

読書・本要約
とんがり
とんがり

スマホ、SNS、酒、恋愛、セックス、買い物、ゲーム、アイドル、ギャンブル/投機、薬物・・・
何らかの中毒になっていると自覚がある人に、
書籍『ドーパミン中毒』アンナ・レンブケ(著)
がおすすめです。

濃淡はあるにせよ、現代人はなんらか中毒・依存症になっているように思います。

先日、『ドーパミン中毒』アンナ・レンブケ(著)という本を読んだら、中毒事例と改善方法が興味深かったので、紹介します。

概要

人は「推し」に夢中になると昼夜を忘れ、やがて「沼」にはまってしまう。
その鍵を握るのが「脳内快楽物質」ドーパミンだ。恋愛、セックス、買い物、ゲーム、SNS、酒、ギャンブル、薬物・・・快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中で、現代人が陥る依存の対象は数限りなくある。
スタンフォード大学医学部教授で、かつて自身も依存症を経験した第一人者が教える脱出法と心豊かに生きるための防衛術。

『ドーパミン中毒』ブックカバーから引用

本書では様々なドーパミン中毒者の事例を交えて、中毒から抜けるための改善策が書かれています。

第1章が「皆のマスターベーションマシン」です。
(最初からインパクトが大きい。。。)

自分に電気刺激を与えるマスターベーションマシンを自作して、他の人にインターネットで見られながら、電気信号を与えられて、何時間も行為に及ぶ、、という中毒から抜けられない男性が出てきます。

最初はその性癖が特殊過ぎて笑うのですが、本人が深刻に悩んでいる状況(ゴミ捨て場にマシンを壊して捨てたのに、ゴミ回収前にとりに戻ってまた組み立ててしまう。パートナーも家を出ていく、、、)を見ると、笑えなくなってきます

著者のレンブケ氏自身、吸血鬼等が出てくる恋愛小説(ラノベ的なもの)を深夜まで読むのが辞められなくて悩んでいたようです。マスターベーション男性と比べると全然かわいいものですが、ドーパミン中毒としては同様に悩ましいものです。

ドーパミン中毒への対処:セルフ・バインディング

中毒をやめるための対処はシンプルで、「セルフ・バインディング(自分を縛る)」ことなのですが、本書では、まずドーパミン断ちをするための手順を紹介し、その後、セルフ・バインディングの例を挙げています。

ドーパミン断ち対策:DOPAMINE

本書では、ドーパミン断ちのステップとして、頭文字をとって「DOPAMINE」と名付けた方法が紹介されています。

▼ドーパミン断ちのステップ(薬物中毒を例とした時)

ステップ内容
例:薬物中毒の場合
Data
データ
具体的な数字(データ)を把握
例:何の薬物を、使用量、回数を把握
Object
目的
なぜその行為をするのかを言語化
例:なぜ薬物を摂取したいと思うのか(楽しみ、退屈、恐怖、怒り、不眠等)
Probrem
問題
どんな悪いこと・影響があったかを棚卸
※将来発生するものを含む
例:薬物摂取で現在・将来失うもの(健康。人間関係。モラル。)
Abstinence
断つ・節制
断つ・やめる
例:薬物摂取をまずは1か月やめる
Mindfulness
マインドフルネス
苦痛を含めて、自分にどんな感覚があるか自分を外から客観的に眺める(瞑想)
Insight
洞察
やめてみて振り返ることで、中毒行為をやること・やらないことでの変化、中毒行為がどんな影響を与えていたか等を振り返る
Next steps
次の段階
1か月やめた後、次の目標設定を行う
例:薬物を完全に断つのか、節制して使うのか
Experiment
実験
次の段階で建てた計画がうまくいくか試行錯誤する
例:薬物を節制すると決めた時にうまくいくか、うまくいかない原因を見極める

「断つ」だけでなく前後の状況把握と、その後の振り返りが大事になります。

ドーパミン(中毒になっているもの)を断つ方法

中毒になっているものを断つには、意図的に自ら進んで自分と自分がはまっていないものとの間に壁を作る方法が「セルフ・バインディング(自分を縛る)」となります。

本書において、自分を縛ることについて、

自分を縛れるかどうかは、意思の問題ではない
しかしむしろ自分を縛れるかどうかは、意思の限界を率直に認めることなのだ。

という記載があり、その通りだなと思いました。

本書では、セルフ・バインディングの方法として3つ種類の戦略が書かれています。

  • 物理的戦略(空間)
  • 時系列戦略(時間)
  • ジャンル戦略(意味)

物理的なセルフ・バインディング戦略(空間)

ギリシャ神話で、歌声で船乗りを誘惑して死に至らしめるセイレーンに対して、船乗りが歌を聞かなくするために、耳に蜜蝋を入れたり、帆船のマストに体を縛りつけるというように、誘惑するものに対して物理的な壁を作る対策です。

具体的な方法として以下の例があげられています。

  • テレビのケーブルを抜いてクローゼットにしまう
  • ゲームのコントローラをゴミ箱に捨てる
  • クレジットカードは使わず、現金だけにする
  • 銀行の貸金庫にiPadを預ける

筆者のレンブケ氏も、恋愛小説依存から抜けるためにKindleを捨てたようです。

冒頭のマスターベーション男性はマシンをすぐに取りに戻れない遠くのゴミ捨て場に捨てるようする・ゴミ回収の直前に捨てに行くということになります。

薬で行うセルフ・バインディングも紹介されています。
私がタバコをやめる際に、ニコチンパッチを使ってタバコをやめられたのもこの方法です。

時系列的なセルフ・バインディング戦略(時間)

時間制限とゴールを設けることで節制する方法です。

摂取するのを1日、1週間、1月のうち決まった時間だけに制限することで摂取する時間の幅を狭め、使用量を減らす方法です。
私自身、子供のyoutubeの見る時間を1日30分までと決めて、その時間になるとロックがかかるようにしています。また自分自身のiPhoneで1時間を経過するとアラートが出るようにしています。
(スマホ機能で簡単に設定確認できるのでおすすめです)

時間でなく、受験が終わるまで、仕事が終わるまで、昇格するまでといった節目や成果をもとに行うこともできます


私は大学合格まで、自分の部屋からテレビ・ゲーム・漫画等を撤去して勉強しました。
(今の子供は、スマホがあるから本当に大変だと思います)

ジャンル的なセルフ・バインディング戦略(意味)

はまっているものに関連して、こういうタイプのものは使っていい、こういうタイプのものはダメというように区別する方法です。

この戦略は、食べ物、セックス、スマートフォンのような、私たちが完全に生活から排除できないものに対して特に有効です。

前述のマスターベーション男性は、ポルノ等へのアクセス制限だけでなく「ありとあらゆる形の欲望」を制限することでマシン断ちができるようになったようです。
彼はテレビ、映画、youtube、バレーボール女子競技—性的なイメージをあたえるもの全て—を見るのをやめたそうです。不倫記事等さえも読み飛ばすようにしたそうです。

まとめ

本書を読んで、現代がいかにドーパミン中毒になる落とし穴が用意されているかということに気づかされおと思いました。

自分は〇〇中毒じゃないかしら、、、と自覚症状がある方、中毒を直したいなと少しでも思う方に、本書はおすすめです。

\誘惑の多い現代人に必読書です/

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