フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルが移築されて、今も現存している。
いつか見てみたいなぁ・・・
とぼんやり思っていました。
名古屋に一泊した際、コンビニで手に取った雑誌で、
- 名古屋の明治村に移築された帝国ホテルがある!
- しかも名古屋駅から1時間くらいで行ける!
ということがわかり、翌日、急遽行くことにしました。
結果、素晴らしかったです。
明治村について、旧帝国ホテルについて簡単にまとめました。
明治村とは
明治村の概要
明治建築を保存展示する野外博物館として、昭和40年(1965年)に愛知県犬山市に開村されました。
約100万㎡(東京ドーム約21個分)の巨大な敷地に約60個の古い学校や家、教会、病院、橋等が配置されているテーマパークです。
行き方
私は名古屋駅から犬山駅まで電車(30分)、その後バスで20分の合計50分くらいで行けました。
名古屋駅名鉄バスセンター等から本数は少ないですが明治村への直通バスもあるようです。
▼公共交通機関での行き方
明治村を回るのにかかった時間(約4時間)
私の場合、10:30くらいに到着、14:30くらいに明治村から出るバスに乗って帰りました。
(約4時間です)
<私の所要時間の前提>
- 村内のバスやSL列車を使わず、大人一人でひたすら歩き
- 食事は、帝国ホテル喫茶室コーヒーと外でコロッケを食べたのみ
- 帝国ホテルで1時間程度見学(30分程度のガイドツアー含む)
- 他の建物はざっと見る程度で、ほぼ全建物を確認
- 平日でかなりすいていた。
行きのバスで同じだった、小学生と母親の家族も帰りのバスで一緒でした。
じっくり見て回ったり、休日で混んでいるレストランで食事するともっと時間がかかりそうです。
大正時代の旧帝国ホテルが明治村にあるわけ
ちなみに、旧帝国ホテルは大正時代の建物で、明治時代の建物ではありません。
当初は明治の建物だけに制限していました。
しかし、旧帝国ホテルの取り壊しが決まった後、訪米中の佐藤首相が記者団の前で
「明治村に移築ができたらいいのだが、、、」
と明治村に許可を取る前に発言したことで移築が決まったそうです。
これが第一号となり、以降は明治の建物以外の受け入れも進んだようです。
明治村の旧帝国ホテル
旧帝国ホテル中央玄関の概観
明治村には旧帝国ホテルの中央玄関のみが移築・再現されています。
正面からみたところ
ななめから見たところ
3階まで吹き抜けのロビーが再現されています。
2階には喫茶室がありコーヒーとケーキ(~1200円)で休憩できます。
私はコーヒー単品(600円)をいただきました。
(建物内の椅子はライトデザインのもの)
旧帝国ホテルについての解説
無料のボランティアガイドさんにガイドしていただいた内容の一部メモとなります。
訪れた際は、ガイドさんのお話をお聞きすることを強くおすすめします。
(予約等しなくても、飛び込みでガイドツアーに参加できます)
建物の見方が全然変わります。何より話が面白い!
なぜ貴重なフランクロイド建築の解体が決まったのか
『こんな立派なフランクライドロイトの建築を壊すなんてもったいない』
東京に残っていないことが不思議でしたが、建物は立派でも実はホテルとして老朽化に加えて色々問題が発生していたようです。
当時、地盤沈下が進み、床が平らでなく、食事を運ぶカートを押すことも難しい状況でした。
さらに石材の吸水性が高く、雨漏りがひどかったようです。
フランク・ロイド・ライトのこだわりが随所に見える
設計者のフランク・ロイド・ライト氏。
本建築は当時のものと、明治村移転にあたって新たに作った素材が混在しています。
例えば、↑の写真の左側のレンガが当時のオリジナルで、右側が新しく作ったものです。
レンガの模様は、当時、釘を刺した板で手作業でつけていたため、均一になっていません。
また釜で焼いていたため、火に近いかどうかで、レンガに色も均一ではありません。
不連続なレンガがとても雰囲気があります。
左半分がオリジナル、右半分が新しく作ったものです。
(風化の度合いが全然異なります)
入口の池に立つ柱は、衛兵をイメージしてデザインされているようです。
屋根の角が少しカーブしているのは、平等院鳳凰堂を参考にしているといわれています。
(シカゴ万博で平等院鳳凰堂を模した日本館を見たライトが参考にしたといわれています)
左右対称のデザインが基本ですが、ところどころ対象でないポイントもあります。
フランク・ロイド・ライトのこだわりが強いことが随所に出ています。
この柱は何度も作り直しの指示があったそうです。
建物だけでなく、調度品のデザインもすべてライトが担当。
この椅子は古いデパートから買い取ったもので、現在1脚200万程の価値があるそうです。
(座れます)
世界観がバッキバキに統一されています。
こんな細かい点のドアの留め具一つ一つについてもライトがデザインしたようです。
ライトのデザインは四角形を組み合わせたデザインが多いようです。
幼少期に遊んでいた積み木がデザインの原点になっていると本人が語っているとのこと。
これだけライトが世界観を統一しているのに、2階の喫茶室に行くと、一般家庭にあるような扇風機や、安っぽい看板があって正直ちょっと萎えます。
(しょうがないけど、、、もう少しなんとかできないか、、、)
この柱の石のパネルのデザインは4本の柱に96個あるのですが、すべてデザインが違います。
光を入れるため、庇をくりぬいています。
(庇の意味あるのかな。。。)
窓を外の柱と関係なくつけたり、コーナーが嫌いだからすべて灯篭にしたり、こだわりまくってます。
要所要所に日本の石工の技術が光ります。
当初、無茶苦茶こだわりの強いライトに対して、石工職人の反発が強かったようです。
ですが最後は職人もライトを信頼し、ライトも日本の職人の技術に感動して、最後はおまかせになったようです。(脳内で、日曜の夜のドラマが再現されました)
NHKの朝ドラ好きはたまらない明治村
朝ドラのロケ地が多数あり
明治・大正時代といえば、朝ドラ(NHK 連続テレビ小説)!
多くの朝ドラでロケ地として利用されています。
「虎に翼」、「花子とアン」、「まんぷく」、「エール」等々、、、
北里研究所本館・医学館は、いろんなドラマの学校として使われています。
聖ザビエル天主堂もよかった。
村内のテーマ曲は「あぐり」のサントラ
村内でずっと流れているのがNHK 朝ドラ「あぐり」のサントラです。
NHK連続テレビ小説あぐりオリジナル・サウンドトラック
TVサントラ (アーティスト), 岩代太郎 (指揮, その他), & 1 その他
私の朝ドラのベストが「あぐり」であり、ドラマサントラのベストがあぐりの「すばらしき日々」です。(DVDセットと、サントラCD、両方持っています。↑の写真は私物です)
私は本サントラが好きすぎて、聞きすぎました。
なので、明治村で聞いても感動はなかったのですが、あぐりファンが久々に明治村で聞くと、村の雰囲気とあいまって感動するんじゃないかと思います。
※あぐりについては別の場所で語らせてください。
まとめ
旧帝国ホテル目当てだった明治村ですが、帝国ホテル以外も見どころ多数でした。
名古屋に行く機会があれば、、、
というより建築好き、朝ドラ好きなら東京から行く価値はあると思います。
おすすめです!(明治村も、あぐりも!)
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